査定価格と売出価格
自宅の査定を依頼したら「査定価格」を提示されたのですが、この金額で売り出ししないといけないのですか?
いえ、「査定価格」とは「売出価格」を決めるにあたって不動産会社がアドバイスする価格なので、必ずしも査定価格で売り出す必要はありません。
「査定価格」と「売出価格」の違いって何ですか?
「査定価格」は、営業担当者が物件を評価し、周辺の相場などをもとに適正と思われる価格を算出した価格です。次に「売出価格」は不動産会社が出した査定価格を基に、売主様の希望やご売却の理由、同一マンション内また同一エリア内の売出状況を見て相談をして決める価格になります。
なるほど、高く売るためには高めの「売出価格」を希望すればいいんですね
いえ、査定価格を大きく上回る「売出価格」で売りに出されると、売れるまでに長い期間を要し、結局査定金額を下回る額でしか売れなかったというケースもあるので売却ご事情を踏まえて「売出価格」を決定していただくのが良いかと思います。
売却理由によって「売出価格」も変わってくるんですね。どのようなパターンがあるのですか?
例えば時間的余裕がある場合、購入希望者をゆっくり待つ余裕がありますので、ご自身が希望する「売却希望価格」を「売出価格」としてそのまま設定し、その価格で購入してくれる買主を待つこともできます。なので、極論を言えば、査定価格が4,000万円だったとしても、売出価格を5,000万円に設定することも可能です。ただ査定価格は、不動産会社が持つ独自のデータを踏まえ、プロの目で判断・分析して算出している価格となりますので、「査定価格」からあまりにもかけ離れた「売出価格」となってしまうと先ほどもお伝えしたように最終的に査定金額を下回る額でしか売れないというケースも考えられます。そのため時間的余裕がある場合でも「査定価格」をベースに不動産会社のアドバイスも踏まえた「売出価格」を設定することがおすすめです。
反対に時間に余裕がない場合はどうすればよいですか?
たとえば相続税の納付期限が決まっている場合や住まいの買い換えで購入する物件が先に決まっている場合などは売却期間に余裕がないため早期に不動産を売却して現金化しなればなりません。そのため不動産仲介会社が提示した「査定価格」を「売出価格」として設定し、売却不動産への問合せ状況やご内覧いただいた購入検討者の状況をみながら、段階的に売り出し価格を下げていくことで、売却期限までに間に合わせることができます。
どちらも営業担当者とよく相談することが大切なんですね
はい、売却理由は人によって様々で、その理由に合わせて「売出価格」を設定することが大切です。不動産の市場相場からかけ離れた売出価格に設定してしまうことで、取引が成立するまでに長期間かかり、売却スケジュールが遅れてしまうことや希望売却価格を大幅に下回った価格での売却となってしまうことは避けなければなりません。そのためにも適正な売却査定価格が提案できる不動産仲会社選びが重要です。