取得費が分からない場合
不動産って、売却した時に税金がかかるんですよね?
居住用の不動産を売却した際など、様々な特例はありますが、売却つまり譲渡したことで利益が発生した場合は、基本的に不動産譲渡所得税が課税されます。
利益が出たかどうかはどうやって計算するんですか?
売却した額から、その不動産を取得した際の「取得費用」と売却の際の「譲渡費用」を差引して計算します。
売却は最近の事なのですぐにわかると思うのですが、取得って場合によってはかなり昔ですよね。
確かに長らく住まれたマイホームや、親族から相続した場合などは何十年前と言う事は良くあります。
そんなに前の書類が残ってないケースもありますよね。取得費が分からないと言う事起きませんか?
不動産売却をされる方で、既に契約書を紛失されていたり、書類を相続時に処分されている事もけっこうありますね。引っ越しの際に行方不明になることもあります。
それだと計算できないですよね。どうするんですか?
取得費が不明な場合は、その不動産を譲渡したことで得た金額の5%相当額を「概算取得費」として計算します。例えば、1,000万円で譲渡したのであれば50万円、2,000万円で譲渡したのであれば100万円が取得費となります。
ちゃんと想定されているんですね。でも、5%ってかなり低くないですか?
そうですね。例えば、いわゆるバブルと言われる時代は現在の相場よりも高い場合が多いですね。
そうなると、本当は売却で利益が出ていないのに利益が出ている事になるんですか。
そういうこともあり得ますので、まずは良く探す事、それらしい書類があれば不動産の担当者に見てもらう事をお勧めします。古い書類や専門的な書類で分かりづらい事もありますし、提携の司法書士に確認してもらう事などもできるかと思います。
それでも無い場合は諦めるしかないですか?
登記簿謄本に設定されている抵当権の設定金額や、『市街地 価格指数』を用いる方法などもあるようです。
方法はあるんですね!
全てに適用できるとは限りませんし、最終は税務署の判断となります。ただ、これらの経験のある税理士に相談できれば多角的にアドバイスがもらえる事もあるかと思います。不動産の税金に長けた税理士と提携している不動業者も多いかと思いますので、まずは相談してみるのが良いかと思います。
なるほど、まずは相談ですね。
はい、建物の減価償却などの計算など、単純に差し引きだけではないですし。
わかりました、有難うございます。